法人成りの設立日を1月1日にするには?休日設立の特例と、12月28日から逆算する会社名の目安【2027年】

法人成りを1月1日にするには:2027年1月1日設立なら申請は12月28日(月)

※法令・制度は2026年10月9日時点の法務省・e-Gov法令検索・内閣府の情報、設立件数は法務省の登記統計(月報)によるものです。登記の個別の判断は、管轄の法務局や司法書士に確認してください。

個人事業を年内で区切って、年明けの1月1日から会社にしたい。法人成りを考えるとき、そう思っている人もいるのではないでしょうか。個人の所得税は1月1日から12月31日までの1年間で計算するので、暦の切れ目で個人と会社を分けたいという考え方です。

ところが、少し前まで1月1日を会社の設立日にすることはできませんでした。2026年2月にルールが変わり、いまは条件つきでできるようになっています。ただし、そのぶん申請の期限が年末に前倒しになります。

この記事では、設立日が決まる仕組みと新しい特例の要件を条文で確認し、2027年1月1日に設立する場合の申請日と、そこから逆算した会社名を決める目安を表にします。

法人成りの設立日は「登記の日」で決まる

株式会社は「本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する」と会社法49条に定められています。合同会社などの持分会社も、579条に同じ定めがあります。つまり、設立日=設立の登記の日です。

そして登記の日は、原則として法務局が申請を受け付けた日になります。法務省の通達も、設立の登記では「受付の年月日と同一の年月日が会社等成立の年月日として登記簿に記録されている」と説明しています。

法務局は行政機関なので、行政機関の休日に関する法律1条により、次の日は休みです。

  • 土曜日・日曜日
  • 国民の祝日・振替休日などの休日
  • 12月29日から1月3日まで

休みの日は法務局の窓口が開きません。オンライン申請でも、商業登記の受付時間は平日8時30分から17時15分までで、休日に送信したものは翌業務日の受付になります。このため、これまでは休日を設立日にできず、たとえば2026年1月に設立した会社は、早くても最初の開庁日の1月5日が設立日でした。

2026年2月から休日も設立日にできる:特例の4つの要件

2026年2月2日に商業登記規則が改正され、35条の4に「設立の登記の申請の特例」ができました。申請の日の翌日が行政機関の休日なら、その休日(休日が続くときはそのうちのどれか1日)を登記の日にするよう求められます。法務省が示す要件は次のとおりです。

要件 内容
対象の登記 登記によって成立する会社等の設立の登記。組織変更・種類変更による設立と、特例有限会社の商号変更による設立は対象外
申請書への記載 特例を求める旨と、求める登記の日(指定登記日)を書く。オンラインなら「その他の申請書記載事項」欄
指定できる日 行政機関の休日であること
申請する日 指定登記日の直前の開庁日。オンラインや郵送でも、その日の開庁時間内に到達して、その日付で受け付けられる必要がある

注意点もあります。添付書面(定款など)は申請の日までに作成したものが必要です。また、特例の求めに不備があり、登記官が定めた期間内に補正しないと、求めがなかったものとして扱われます。その場合は通常どおり受付の日が設立日になるので、年末に申請していれば年内の日付になります。

オンラインで定款認証と設立登記を同時に申請する方法でも特例は使えますが、定款は申請した日の当日中に認証される必要があります。法務省は、公証役場とあらかじめ調整して面談を予約し、当日にテレビ電話で面談するよう案内しています。

2027年1月1日に設立するなら、申請は2026年12月28日(月)

内閣府の祝日一覧と行政機関の休日を重ねると、年末年始の法務局は次のとおりです。

日付 法務局 設立日にする方法
2026年12月25日(金) 開庁 その日に申請
2026年12月28日(月) 年内最後の開庁日 その日に申請
12月29日(火)〜12月31日(木) 休み(年末) 12月28日に申請して特例で指定
2027年1月1日(金・元日) 休み 12月28日に申請して特例で指定
1月2日(土)・1月3日(日) 休み 12月28日に申請して特例で指定
1月4日(月) 年明け最初の開庁日 その日に申請
1月9日(土)〜1月11日(月・成人の日) 休み(3連休) 1月8日(金)に申請して特例で指定

1月1日を設立日にしたいなら、12月28日(月)の17時15分までに申請が受け付けられることが条件です。郵送なら、この日の開庁時間内に届いている必要があります。12月28日に間に合わなければ、1月1日〜3日は選べず、最も早い設立日は1月4日(月)になります。

2026年12月21日から2027年1月10日までの法務局の開庁日カレンダー。12月28日が申請日、12月29日から1月3日が指定できる休日で、1月1日を設立日に指定する例。1月4日が年明け最初の開庁日
2027年1月1日を設立日にするには、年内最後の開庁日の2026年12月28日(月)に申請して特例を求める。12月29日〜1月3日のどの日も指定できる

1月に設立がはっきり集中しているとは言えない(登記統計の月別件数)

法務省の登記統計(月報)で、会社の「設立」の登記件数を月別に見ると、2025年は次のとおりでした(組織変更などによる設立は含みません)。

月 設立の件数 うち株式会社 うち合同会社 法務局の開庁日数 1開庁日あたり
1月 12,752 8,914 3,834 19日 671件
2月 10,367 7,032 3,332 18日 576件
3月 12,526 8,626 3,899 20日 626件
4月 13,690 9,531 4,156 21日 652件
5月 12,784 8,784 3,998 20日 639件
6月 11,958 8,254 3,702 21日 569件
7月 13,195 9,311 3,881 22日 600件
8月 11,170 7,591 3,577 20日 559件
9月 12,348 8,254 4,093 20日 617件
10月 14,750 10,212 4,535 22日 670件
11月 9,526 6,600 2,922 18日 529件
12月 10,291 7,056 3,232 20日 515件

開庁日数は祝日一覧と行政機関の休日から当サイトで数えました。

2025年の1月は12,752件で、12か月のうち5番目でした。最も多いのは10月の14,750件です。1月は開庁日が19日と少ないため、1開庁日あたりにすると671件で2025年の最多ですが、10月の670件とほぼ同じです。また、2024年の1月は11,479件(12か月で7番目)、1開庁日あたりでも4番目でした。1月に設立がはっきり集中しているとまでは言えません。

一方、12月は2024年が10,352件、2025年が10,291件で、どちらの年も12か月で11番目と少なめでした。この統計は設立日を選んだ理由を調べていないので、なぜ月によって差があるのかは分かりません。また、2026年2月以降の月報にも、休日設立の特例を使った件数の区分はありません。

2025年の月別の会社設立登記件数の縦棒グラフ。1月12,752件、2月10,367件、3月12,526件、4月13,690件、5月12,784件、6月11,958件、7月13,195件、8月11,170件、9月12,348件、10月14,750件、11月9,526件、12月10,291件
2025年の会社の設立登記の件数。1月は12,752件で12か月のうち5番目、最も多いのは10月の14,750件(法務省 登記統計 月報)

12月28日から逆算する:会社名を決める目安

12月28日に申請するには、その日までに添付書面がそろっている必要があります。会社名(商号)は定款に必ず書く事項なので(株式会社は会社法27条、合同会社などは576条)、会社名が決まらないと定款が作れず、その後の手続きがすべて止まります。

手続き 法令上の期限 当サイトの目安(開庁日で数えた日)
設立の登記を申請 12月28日(月)17時15分までに受付 12月28日(月)
出資金の払込み 申請の日まで(株式会社は払込みを証する書面を添付。合同会社は設立の登記をする時までに全額) 12月25日(金)まで
定款の認証(株式会社) 申請の日まで(オンライン同時申請なら申請当日中) 12月21日(月)までに公証役場を予約
定款の作成 申請の日まで 12月21日(月)まで(5開庁日前)
会社名・本店所在地の決定 定款の作成より前 12月14日(月)まで(10開庁日前)

右の列は法令の期限ではなく、補正や予約の都合に備えて当サイトが置いた目安です。公証役場の年末の受付日や予約の空きは役場ごとに違うので、株式会社なら早めに利用する役場へ確認してください。

会社名を決めるときは、同じ本店所在地に同じ商号の会社がないかも確かめます。商業登記法27条により、この場合は登記できません。同じ商号の会社があって登記できないと分かると、申請をやり直すことになり、年末の申請日に間に合わなくなるおそれがあります。社名の確認は、表の目安の12月14日(月)までに済ませておくと安心です。

設立日にこだわらないなら、1月4日以降の申請でもよい

当サイトの運営会社は、設立日に特にこだわりませんでした。ただ、縁起が悪い日は避けました。

1月1日にこだわる理由がなければ、無理に年末へ書類をそろえる必要はありません。1月4日(月)以降の開庁日に申請すれば、その日が設立日になります。法務省の通達は、事業年度の開始日を4月1日にすることなどを目的に、休日も成立の年月日にしたいという要望が多数寄せられていたと説明しています。

個人事業から会社への切り替え時期は税金の扱いにも関わるので、設立日を決める前に税理士に相談しておくと確実です。

会社名は12月14日までに:先に重複を確認する

商号衝突チェッカーでは、候補の社名と法人の種類、本店の都道府県を選ぶと、国税庁の法人番号データから同じ商号・似た商号の法人の数を確認できます。

商号衝突チェッカーで社名の重複を確認する

会社の種類や、登記前に確認する項目は、次の記事とガイドで整理しています。

まとめ

  • 設立日は設立の登記の日で、原則は法務局が申請を受け付けた日
  • 2026年2月2日から、休日の直前の開庁日に申請すれば、1月1日などの休日を設立日に指定できる
  • 2027年1月1日に設立するなら、申請は2026年12月28日(月)17時15分までに受付が必要。間に合わなければ最も早いのは1月4日(月)
  • 登記統計では、2025年の1月の設立は12か月で5番目で、1月にはっきり集中しているとは言えない
  • 会社名は定款に必ず書くので、12月28日申請なら12月14日(月)まで(当サイトの目安)に決めて重複を確認しておく

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