会社名を決めたら登記前に確認する7つのチェックリスト|使える文字・制限語・重複・商標・ドメイン

社名の登記前チェックリスト:使える文字・制限語・重複・商標・ドメインを7項目で確認

※法令・制度は2026年10月9日時点の法務省・e-Gov法令検索・JPRSの情報をもとにしています。登記の個別の判断は、管轄の法務局や司法書士に確認してください。

会社名の候補が決まっても、書類を作り終えてから登記に使えない記号が入っていた、法律で使い方が制限された語を含んでいたと気づくと、定款から書き直すことになります。

当サイトの運営会社「合同会社Edel Hearts」のように英単語を組み合わせた英字の社名では、登記に使える文字と符号の確認が特に欠かせません。

この記事では、登記までに確認する7項目を順番・確認する場所・NGの例で整理します。ルールの考え方は会社名の決め方ガイドで解説しています。

会社名の登記前チェックリスト:7項目と確認する順番

先に一覧を示します。1〜6は候補を出した段階で確認でき、7は本店の住所が決まってから行います。

順番 確認すること 確認する場所 NGの例
1 法人格(株式会社・合同会社など)の表記 会社法6条、法務省の案内 「K.K.」「Co., Ltd.」だけで済ませる
2 登記に使える文字と符号 法務省「商号にローマ字等を用いることについて」 先頭・末尾に「・」、「@」「!」を使う
3 業法で使えない語 銀行法・保険業法・信託業法・金融商品取引法 銀行でないのに「〇〇銀行」を名乗る
4 全国の同じ商号・似た商号 国税庁 法人番号公表サイト、商号衝突チェッカー 同じ地域・同じ業種に同名の会社がある
5 同じ・似た商標 J-PlatPat(特許庁の商標検索) 社名をサービス名にしたいのに、読みが同じ商標が登録済み
6 ドメインとSNSのアカウント名 JPRS・指定事業者、各SNS 社名の英字表記の .co.jp や .com が取得済み
7 本店所在地の同じ商号 法務省 オンライン登記情報検索サービス(商号調査) 同じ住所に同じ商号の会社がある

すぐ確認できる文字と語(1〜3)を先に済ませるのは、ここで社名を変えると4以降を調べ直すことになるためです。

会社名の登記前チェックリストの手順図。社名の文字と言葉(法人格・使える文字・業法の制限語)、他社との関係(同じ商号・商標・ドメインとSNS)、本店の住所が決まったら同じ住所の同じ商号の確認、の3段階
文字と言葉(1〜3)を先に確認し、本店の住所が決まってから法務局で商号調査(7)を行う

1〜3:社名の文字と言葉を確認する

1. 法人格の表記を入れる

会社法6条2項により、商号には会社の種類に従って「株式会社」「合同会社」などの文字を入れなければなりません。法務省の案内では、これを「K.K.」「Co., Ltd.」「Co., Inc.」に置き換えて登記することはできないとされています。

また、合同会社が「株式会社」の文字を含めるなど、他の種類の会社と誤認されるおそれのある文字は使えません(会社法6条3項)。

法人格を社名の前に付けるか後ろに付けるかについて、会社法6条には位置の定めがありません。迷う場合は、管轄の法務局の案内を確認してから定款を作ると確実です。

2. 使える文字と符号だけで書く

商業登記規則50条と法務省の告示(平成14年11月1日施行)により、漢字・ひらがな・カタカナに加えて、次の文字と符号を商号に使えます。

  • ローマ字(大文字・小文字のどちらも可)
  • アラビア数字(「777株式会社」のような数字だけの商号も可)
  • 符号は「&」「’」「,」「-」「.」「・」の6種類だけ

注意したいのは符号の位置です。符号は字句を区切る場合にだけ使え、商号の先頭・末尾には置けません。例外として「.」は、省略を表すものとして末尾に置けます。空白(スペース)は、ローマ字で複数の単語を書く場合に、単語の間を区切るためにだけ使えます。

日本語とローマ字は混ぜてもかまいません(法務省の例:「ABC東日本株式会社」)。

3. 業法で使えない語が入っていないか

次の語は、条文の条件に当たると社名に使えません。「保険」「信託」は保険会社・信託会社と誤認されるおそれのある文字が、金融商品取引法は「金融商品取引業者」という商号又は紛らわしい商号が対象です。条文はe-Gov法令検索で確認しました。

語 根拠 内容
銀行 銀行法6条2項 銀行でない者は、名称・商号に銀行であることを示す文字を使えない
保険 保険業法7条2項 保険会社でない者は、保険会社と誤認されるおそれのある文字を使えない
信託 信託業法14条2項 信託会社でない者は、信託会社と誤認されるおそれのある文字を使えない(一部例外あり)
金融商品取引業者 金融商品取引法31条の3 金融商品取引業者でない者は、「金融商品取引業者」という商号又は紛らわしい商号を使えない
会社 会社法7条 会社でない者(個人事業の屋号など)は、会社と誤認される文字を使えない

表は条文を確認した語だけです。事業に関係する法律の名称の制限も確認してください。

当サイトのチェッカーで、誤りの例を入力してみた

1〜3がどう判定されるかを、商号衝突チェッカーの「登記ルール」で試しました(2026年10月9日、法人の種類はすべて合同会社)。

入力した社名 判定 チェッカーが示した理由
・エーデル NG 記号は商号の先頭・末尾には使えない
エーデル・ NG 同上
Edel@Hearts NG 「@」は商号に使えない
エーデル銀行 NG 銀行法:銀行以外は「銀行」を使えない
エーデル保険 NG 保険業法:保険会社と誤認される商号は使えない
エーデル信託 NG 信託業法:免許を受けた会社以外は使えない
Edel Hearts 問題なし 登記で使える文字だけで構成されている

チェッカーは空白を取り除いてから判定するため、空白の使い方は判定の対象外です。チェッカーの判定は機械的な確認です。登記できるかは法務局が判断するので、気になる点は法務局の案内で確かめてください。

4〜5:他社との重複と商標を確認する

4. 全国の同じ商号・似た商号を調べる

法務省のQ&Aによると、会社法では類似商号の禁止制度が廃止され、商号と本店の所在地がともに同一でなければ、既存の会社と同じ・似た商号でも登記できます。

ただし、登記できることと、問題なく名乗れることは別です。会社法8条は、不正の目的で他の会社と誤認されるおそれのある商号の使用を禁じています。

全国の同名法人は、国税庁の法人番号公表サイトで調べられます。商号衝突チェッカーは同じデータから、法人格を除いて一致する法人の数を表示します。

5. 商標を J-PlatPat で調べる

社名をそのままサービス名や商品名にするなら、特許庁の商標データベース「J-PlatPat」の商標検索で、同じ・似た商標が登録されていないかを調べます。表記が違っても読みが同じ商標があるので、称呼(読み)でも検索しておきます。

商標法26条は、自己の名称を普通に用いられる方法で表示する場合を商標権の効力の例外としています(登録後に不正競争の目的で使う場合を除く)。迷ったら弁理士に相談してください。

6. ドメインとSNSのアカウント名を確認する

JPRSによると、CO.JP は日本国内で登記を行っている会社が登録でき、原則として1つの組織で1つです。会社がまだない段階でも、「ドメイン名仮登録」で設立前に申し込めます。CO.JP の仮登録期間は6カ月間です(JPRSは、設立の予定時期に応じて仮登録期限を延長する場合があるとしています)。仮登録期間内に設立して本登録の手続きをしないと、ドメイン名は廃止されます。申し込みは指定事業者を通して行います。

汎用型の .jp は、日本国内に住所を持つ個人・団体・組織なら登録数の制限なく登録できるとJPRSは案内しています。.com とあわせて、社名の英字表記で空いているかを先に見ておきます。SNSのアカウント名も、各サービスで空きを確認します。

7. 本店所在地が決まったら、法務局で同じ住所・同じ商号を調べる

商業登記法27条により、他人が既に登記した商号と同一で、本店の所在場所も同一なら登記できません。法務省は、申請前のこの確認を「商号調査」と呼んでいます。

商号調査は、法務省の「登記・供託オンライン申請システム」のオンライン登記情報検索サービスで、お持ちのパソコンででき、検索だけなら手数料は不要です。初めて使うときは、申請者情報を登録して申請者IDとパスワードを取得します(無料)。

法務省のオンライン登記情報検索サービスで商号調査をする手順図。申請者情報の登録、商号調査をクリック、ログイン、商号と本店所在地を入れて検索、ログアウトの順
同じ住所・同じ商号の確認(商号調査)は、法務省のオンライン登記情報検索サービスで、検索だけなら無料でできる

同じ住所に多くの会社が本店を置くバーチャルオフィスでは特に大切です。詳しくは法人登記できるバーチャルオフィス比較で書いています。

1〜3の主な点と、4・6のドメインは商号衝突チェッカーで確認できる

商号衝突チェッカーに会社名の候補と法人の種類を入れると、1〜3の主な点(使える文字、符号の位置、銀行・保険・信託・証券などの主な語)、全国の同名法人の数(4)、英字表記のドメインの空き(6のうちドメイン)を一度に確認できます。「金融商品取引業者」の語とSNSのアカウント名はチェッカーの対象外なので、それぞれ個別に確認してください。

商号衝突チェッカーで会社名の候補を確認する

まとめ

  • 法人格は「K.K.」「Co., Ltd.」に置き換えられない。前に付けるか後ろに付けるかは法務局の案内を確認
  • 符号は「&」「’」「,」「-」「.」「・」だけで、先頭・末尾には置けない(末尾の「.」は可)
  • 銀行でないのに「銀行」、保険会社・信託会社と誤認される文字、「金融商品取引業者」という商号又は紛らわしい商号は使えない
  • CO.JP は設立前に仮登録でき、仮登録期間は6カ月間
  • 同じ住所・同じ商号の確認は、法務省のオンライン登記情報検索サービスで無料でできる

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